サイダーは「ソーシャルメディアは、現代におけるコミュニケーションの基本的形態の一つだ。あなたが撮った写真を投稿すれば、数秒以内にあなたの全人脈がそれを見ることができる」と言う。
だが同時にある問題を指摘する。フェイスブックだけでも1日に5億枚を超える写真がアップロードされているのに、そのうち撮影した場所や関連企業のタグづけを行っているものは8%(つまり4,000万枚)しかないのだ。
企業はその他4億6,000万枚のマーケティングツールとしての可能性を、いかにして生かすことができるのか。ザイダーは、スティールズこそがその解決法だと言う。
ザイダーの言葉を借りれば、「スティールズは、ソーシャルメディアを通して企業の顧客を“ブランド大使”に変えるモバイルアプリ」だ。スティールズのユーザーが、同社の契約店(たとえば飲食店など)で撮影した写真を投稿すると、その店が自動的に投稿にタグづけされる。店側にとっては、ソーシャルメディアを通して大勢の人に好印象を与えることができる可能性がある。
顧客にとってのメリットは、店を訪れたり写真を投稿したり、フィードバックを書き込んだり、ツイッターでフォローしたりすることで得られるポイントだ。貯めたポイントは、店が決めた特典(たとえば前菜一品無料など)と交換することができる。
開発チーム・投資家・顧客
ザイダーはブラント・エリオットCTO、ブレント・ノーランCSO、ジョン・チャールズワースCPOと共に、2012年にスティールズを創業。そこにエンジェル投資家のデービッド・ガードナーが取締役として参加した。
ガードナーが率いた2014年5月のファーストシードでは、48万8,000ドル(約5,102万円)を調達。さらに2015年3月には100万ドル(約1億円)を調達した。
売り込み先は主にレストランで、5か国の1,000を超える店、および米東海岸と中西部の26州に顧客がいる。顧客にはマクドナルドやアップルビーズ、デニーズなどの大手チェーンが含まれ、これらの契約店のサービス使用料は月100ドル(約1万円)、個人ユーザーは無料だ。