調達額1兆円超えの配車アプリ「滴滴」VS「ウーバー」の終わりなき資金獲得戦争

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「滴滴の評価額に数字的根拠はなく、まるでおとぎ話のようだ」と北京大学のビジネススクールである光華管理学院のジェフリー・トーソン教授は話す。

「中国人ユーザーは低価格を重視するため、滴滴は集客のために今後2年間は料金割引を続ける必要がある。このため同社は1年以内に再び資金調達を迫られることになるだろう」とベンチャーキャピタル、ゴビ・パートナーズの上海事務所でパートナーを務めるケン・シュウは予測する。

ただ、シュウによるとレイトステージの投資家は評価額をあまり気にしないという。「彼らの関心事は、滴滴を主たる交通サービスに育てることだけだ」と彼は話す。

「滴滴がメインストリームのサービスになるためには、73億ドルでは全然足りない」とトーソン教授も指摘する。滴滴とウーバーの競争は配車サービスに止まらず、物流や自動車サービス、自動運転車などの領域にも及んでいる。自動運転車に関しては、ウーバーは5月にピッツバーグでテスト走行を開始しており、滴滴の一歩先を行っている。

「滴滴とウーバーの競争は、まさに資金調達の戦いと言える。我々が目撃しているのはまだ序章に過ぎない」とトーソンは話す。

編集=上田裕資

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