キャリアの出発点となる企業を調べる際には、求人サイトのボルト(Vault.com)が3月に発表した、メディアおよびエンターテインメント企業のランキングが参考になる。ニューヨークを拠点とするボルトは、独自の国際調査チームを使って、給与や福利厚生、クオリティ・オブ・ライフ、昇進、総合的な満足度などの要素に焦点を絞った調査を行い、その結果を基にランキングを作成した。
メディア・エンターテインメント業界で1位に輝いたのは、3年連続でウォルト・ディズニー。それも当然と言えよう。カリフォルニア州バーバンクを拠点とするメディア大手の同社は国際的な知名度を誇る。ミッキーマウスやドナルドダック、シンデレラをはじめとした多くのディズニーキャラクターは、世界中で知らない子どもはいないほどだ。
傘下には映画会社(ピクサーを所有)、テレビ局、出版社やテーマパークがあり、2015年の売上高は524億ドル(約5.5兆円)を上回り、純利益は84億ドル(約8,785億円)に達した。従業員たちは同社でいい経験ができていると報告しているが、一方でマイナス面として、国際的な大企業の“社内政治”を挙げている。
2位は21世紀フォックス(かつて9位のニューズ・コーポレーションの一部だった)で、昨年の3位から順位を1つ上げた。ニューヨークを拠点とする同社のプラス面は、テレビや新聞、映画や書籍などの分野における国際性だ。マイナス面としては、ニューズ・コーポレーションが米共和党寄りに偏っていることだという。
3位はディレクTV。カリフォルニア州エルセグンドに本社を置く同社は、ボルトの調査によれば、米国内に約2,000万人の顧客を抱えており、ディレクTVおよびスカイ(SKY)ブランドの下で中南米に約1,900万人の加入者を擁している。
新たにトップ10入りしたのは、メディア大手ガネットから分社化したテグナ(Tegna)で、ランキング10位につけた。同社は、45の放送局やカーズ・ドットコム(Cars.com)などのウェブサイトなどの事業をガネットから引き継いでいる。2015年の売上高は30億ドル(約3,137億円)を上回り、純利益は4億6,000万ドル(約481億円)に達した。
ボルトが発表した「働きたいメディア&エンターテインメント企業2016」のランキングトップ10社は次のとおり。( )内の数字は2015年の順位。
1.ウォルト・ディズニー(1)
2.21世紀フォックス(3)
3.ディレクTV(4)
4.タイム・ワーナー(2)
5.NBCユニバーサル(5)
6.ナショナル・アミューズメンツ(7)
7.CBS(6)
8.バイアコム(8)
9.ニューズ・コーポレーション(10)
10.テグナ