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2016.06.23

ニケシュ・アローラ電撃辞任の舞台裏、持ち株は「売却済み」発言も

ニケシュ・アローラ(Photo by Pradeep Gaur/Mint via Getty Images)

グーグルの上級副社長だったニケシュ・アローラは2014年、バイスチェアマンとしてソフトバンクに入社した。2015年には代表取締役副社長に就任し、孫正義社長の後継者となるはずだった。

しかし、ソフトバンクは6月21日、アローラの辞任を発表。同社の顧問に就任することを明かした。数か月前には、ソフトバンク株主と見られる投資家グループが取締役会に書簡を送り、アローラの適性に疑問を呈し、内部調査と解任を求めていた。

投資家グループは「アローラがソフトバンクよりも個人や自分のパートナーの利益を優先させている」と主張。また、昨年アローラが約600億円分のソフトバンク株の購入を発表したことについても疑問を呈した。「アローラの株式購入資金の出どころが不明確だ。また、この取引きでソフトバンクがどのような便宜を図ったのかが説明されていない」というのが彼らの主張だった。

巨額の報酬、自社株買いをめぐる疑念

さらに、ソフトバンクがアローラに保証した複数年に渡る巨額な報酬に対する疑問。また、アローラにメリットが大きく、株主が利益を損なう可能性があるコミットメントが行われていることを指摘し、情報の開示を求めていた。

これを受けてソフトバンクは内部調査を実施し、アローラに不適切行為がなかったと公表。しかし、投資家グループは納得していない。同社は、今回の退任劇と投資家グループからの解任要求との関係を否定している。

アローラはフォーブスに対し「私としては、自分自身の適正に自信を持っており、高い公平性を保つことを常に自分に課してきました。投資家らの主張はどれも根拠がなく、私の名を汚すためにこれだけの長文を送ってきたことに驚いており、とても残念です」と述べている。また、アローラは自身のツイッターで次のように述べている。

「私が辞任するのは、約束した責務を果たした上でのことであり、マサ(孫正義)がCEOを予定よりも長く続ける意向を示したからだ。私の無実は証明されている」
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編集=上田裕資

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