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木下氏からワインの飲み頃温度がわかるIoT温度計アプリ『Kelvin(ケルビン)』の説明を受ける来場者。

KPMGジャパンが運営する「成長企業倶楽部」とは、どのような活動なのか―。今年4月に開催された第11回の様子をお届けする。

4月13日夕刻、東京・大手町のKPMG/あずさ監査法人東京事務所に、43名の起業家や支援者たちが集まった。ウエルカムドリンク片手に談笑する和やかな雰囲気の中、経済産業省 経済産業政策局 産業再生課の今里和之氏による講演がスタート。「METI第4次産業革命に向けた新産業造ビジョン」をテーマに、IoT、ビッグデータ、AIなどの技術革新に対する現状認識と、日本がとるべき戦略についての見解が示された。

続くパネルディスカッションは今里氏に加え、同テーマに関係が深い起業家や、その支援者が登壇。IoTデバイスを扱うINNOVA GLOBALの木下京子氏、IoTコンサルティングを提供するCAMI&Coの神谷雅史氏、IoT Hackathon2015での優勝経験を持つ伊藤博之氏(大興電子通信)、自身のシリコンバレーでの経験を生かして起業家支援をしている曽我弘氏(KAPION)の4名がパネリストとして参加した。ファシリテーターは轟氏が務めた。

パネルディスカッションで今後の未来を話し合うなかで、時間軸の差はあれ、あらゆる場面でロボットやAI、IoTなどのテクノロジーが浸透するという共通認識を確認。そのうえで、これらのテクノロジーと人間のかかわり方についての意見が出された。

伊藤氏は「仕事を取り合う関係ではなく『共生』という観点が大事ではないか」と指摘。AIやロボットが第一次産業の労働生産性向上に寄与する可能性があると示唆した。

木下氏は保育現場での活用事例を紹介。ロボットが子供たちの写真を撮影して親の携帯端末へ自動送信したり、温度センサーによって熱のある子供を検知したりするといった取り組みを挙げた。曽我氏は「IoTから、IoS(Internet of Senior)へ」というユニークなアイデアを提唱。シニア世代の体の状況に関わるデータを集めてヘルスケア分野などで活用するという発想。結果的に医療費の削減も期待できるとともに、世界の先進事例とな
る可能性も秘めたアイデアだ。

さらに今里氏が「人が、パソコンのようにAIやロボットを使いこなす時代へ向けて、教育改革が大事」という見解を示したのをはじめ、次々と時代の変化に応じた教育の必要性についての意見が飛び出した。

神谷氏は、ハードとソフトの両面からマネジメントする力を低年齢から教育することの必要性に言及。「『IoTネイティブ』と言われる世代を育てていきたい」と意欲を示した。さらに曽我氏が、日米をまたいだベンチャー起業に関する教育プロジェクトの一部を明かすなど、教育議論はヒートアップ。

最後は、今里氏が「このような『場』を通じて勉強させてもらい、皆さんとともに第四次産業革命に向けて取組んでいきたい」と抱負を語って締めくくられた。セミナーの後は懇親交流会。参加者の発表を交えながら、テーマに関する意見交換や、製品のデモが活発に行われ、21時過ぎまで盛り上がった。

成長ビジネスの祭典2016夏 開催決定!
成長企業倶楽部では、昨年に引き続き以下の要領で「成長ビジネスの祭典2016夏」を開催予定だ。

日時:2016年7月15日(金)15時~19時半
場所:東京ミッドタウン
基調講演:JAXA シニアフェロー 川口淳一郎氏
成長ビジネスへの取り組み紹介:「サポーター×成長ビジネス」(4チーム)
ネットワーク懇親会
詳細は、www.kpmg.com/jp/0715-mmdにて

文=小林麻理

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