リンクトインの身売りがソーシャルメディアの今後に及ぼす影響

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迫られる変化

検索サービスがグーグルの主な収益源ではないのと同じように、ソーシャルメディアの主な収益源は“共有”ではない。“ソーシャル(社交)”は今後もソーシャルメディアの中で大きな位置を占め続けるが、今回の買収は、その収益化が十分な規模に達しなかった場合に何が起こり得るのかを示している。

次に買収される危険があるソーシャルメディアの一つがツイッターだ。自社の立ち位置をなかなか確立することができずに収益化に苦労してきた。140文字という制限も新たなユーザー獲得には結びつかずに緩和された。

フェイスブックはまた異なり、同社はグーグル式の方法で人や企業の宣伝活動を手助けすることで収益をあげている。それが、人々がフェイスブックに登録する理由となっており、活発な利用を維持させている。

ソーシャルメディアは変化していく。なぜならば単純に、変化しなければならないからだ。各社は今後、いかに収益を上げるかをさらに意識しなければならなくなるだろう。

リンクトイン買収は「結果」ではなく「症状」

リンクトインの身売りは、ひとつの時代の終わりを示すものではない。既に起こったことの“症状”だ。ソーシャルメディアは、もはや一時の流行ではなく、人々が関心を持つ対象ではない。当初は目新しいものとして注目を集めたが、今は“中身”が求められている。

独自の立ち位置を確立できない、あるいは既存市場でのリーディングブランドになれなければ、人々はソーシャルメディアから離れていく。その時に買収劇が起こるのだ。

近い将来に、ソーシャルメディアの買収が立て続けに起こることはないだろう。だがツイッターなどがさらされている脅威は、頭の隅に置いておく価値がある。リンクトインが今後どのような運命をたどることになるのかが、注目されるだろう。

編集=森 美歩

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