スミス&ウェッソンは16日午後、2016年4月期(第4四半期)と通期の業績を発表。同期の売上高は前年同期比22.2%増の2億2,110万ドル(約230億円)となり、アナリスト予想の2億1,550万ドルを上回った。このうちスポーツ用品の売上高はわずか1,750万ドル(約18.2億円)で、あとはすべて銃器部門の売り上げが占めた。
4月期の純利益は、特別項目を除いて3,740万ドル(約39億円)、または1株当たり66セント(約68円)。1株当たりで見ると前年同期比およそ50%増で、ウォール街の予想を22%上回った。
通期ベースでの売上高は、2015年度の純売上高から30%増の7億2,290万ドル(約753億円)を記録。特別項目を除く1株当たり利益は1.83ドル(約190円)と、2015年度の1.02ドルを上回った。
決算発表のあった週は、米国にとってはひどいものだったかもしれないが、スミス&ウェッソンにとってはいい1週間となった。6月12日未明、オーランドにあるナイトクラブで銃乱射事件が発生したが、13日に同社の株価は7%急上昇。14日の取引で株価は安定したが、5営業日で5.5%の上昇を達成した(銃による悲劇が起こると銃器メーカーの株価は上昇する。銃規制が強化されて購入しにくくなることを恐れる人々が、銃を買いに走るからだ)。
スミス&ウェッソンが決算報告と同時に発表した声明は、オーランドの事件にも同社の最近の株価の動きにも触れず、決算の結果のみに焦点を当てたものだった。
「4月期と通期の堅調な業績は、射撃や狩猟、アウトドア活動の愛好者たちに、質の高い製品を提供するリーディングカンパニーになるという当社のビジョンが正しいことを裏付けるものだ」と、同社のジェームズ・デブニーCEOは声明で述べた。