SADの原因は?
何がSADを引き起こすのかについては、遺伝・生物学的な要素、環境、思考、あるいはこれらの要素の組み合わせなどのさまざまな説があるが、専門家の意見はまとまっていない。だがその人の思考が、SADの性質や程度に大きな影響を及ぼすことは明らかだ。
人前に出たり評価される状況に置かれると、SADの人は「失敗したらどうしよう」などと考える。自分の発言や行動、外見について、他人が否定的な判断を下すだろうと考えて恐怖を感じるのだ。
特定の状況(たとえばスピーチをしたり初めての人に会ったり)においてのみ、こうした考え方に陥って不安を感じる人もいれば、大部分または全ての社会的状況においてそうなる人もいる(重要なのは、不安に陥っても罪悪感や羞恥心を抱くべきではないということ。そうした思考の大部分は、恐れている状況に置かれた時やそれを予期した時に自動的に引き起こされるものであり、自覚がないこともある)。
認知行動療法(CBT)とは?SADの治療に効果的なのか?
幸いにもSADは治療が可能で、効果が認められている治療法の1つがCBTだ。CBTは患者に対して、不安や否定的で不正確な思考を特定し、それを変えるよう教えることに重点を置く能動的・協調的な治療法だ。
治療ではたとえば、恐怖や不安を理由に回避していた状況に敢えて置く。恐れていた場面にさらすことは、患者が自分の不安に鈍感になり、自信を持つのを手助けする。
また、効果的な社会的スキルやコミュニケーションスキルの習得も治療に含まれる。CBTは一般的に短期の治療で、個人で行うこともグループで行うことも可能だ。