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2016.06.19

うつ病、アルコール依存症に次いで3番目に多い精神障害SAD

Photographee.eu / Shutterstock

社会不安障害(SAD)を抱えて生きるのは大変だ。大半の人にとっては当たり前の社会交流がきっかけで強い不安を感じたり、自信を喪失したり、後ろ向きな思考回路に陥ってしまったりする。だが幸運なことに、SADは治療が可能だ。認知行動療法(CBT)の臨床心理学者で、不眠症と不安神経症が専門のスティーブ・オーマ博士に話を聞いた。

社会不安障害(SAD)とは?
社交恐怖症とも呼ばれるSADは、特に馴染みのない人の前に出た時や、他人に判断される可能性がある時などに強い恐怖感を覚える精神障害だ。こうした状況に置かれた(あるいはそれを予期した)時に強い不安を感じ、パニック発作を起こすこともある。その結果、SADを抱える人は通常、こういった環境を回避するか、あるいは大きな苦痛を感じながらそれに耐えている。患者は自分の恐怖感がいきすぎ、あるいは不合理であると認識している。不安と苦痛は、患者の日常生活、社会生活・関係、学校やキャリアに支障をもたらす。

誰でも社会的状況の中で不安を感じたことはある(たとえば誰かをデートに誘ったり、大人数の前で話したり)。だがSADの人はそうした不安が強いため、生活に大きく影響する。他人と会って交流しなければならないのが怖くて大学に行かないケースや、嫌われるのが怖くて誰ともデートをしないケースもあり得る。SADが原因で目標や価値観の追求をやめてしまい、ほかの人よりも充実感に欠ける人生を送ることになる可能性もあるのだ。

SADはどれくらい一般的?
SADは(うつ病、アルコール依存症に次いで)3番目に多い精神障害で、アメリカでは毎年人口の5~7%がその影響を受けている。現在、アメリカのSAD患者は約1,500万人。人が生涯のいずれかの時点でSADになる可能性は最大13%だ。通常は幼少期か青年期に始まるが、成人してから発症することもある。
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編集=森 美歩

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