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アモーレパシフィックの徐慶培 / 写真=キム・ジェヒョン

アジア市場で、韓国の化粧品大手アモーレパシフィックが快進撃を続けている。ナチュラルな素材を生かした商品を武器に、欧米市場攻略に向けてアクセルを踏み込む。

2015年、フォーブス・アジアの「ビジネスマン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたのが、韓国最大の化粧品メーカー「アモーレパシフィック」会長の徐慶培(ソ・キョンベ)だ。

同社の製品はアジア圏の女性から絶大な支持を集め、中国での売り上げは4年間で3倍以上に増加。14年には約4億5,000万ドル(約495億円)を売り上げた。化粧品市場はグローバルでは年間約1.6%の成長だが、同社の売り上げは前年比で約21%増加。アナリストらはその売り上げが16年には58億ドルに達すると見込む。

「私の夢はアジアの美で世界を変えることです」と52歳の徐は話す。資産額92億ドルの彼はサムスン会長の李健熙(イ・ゴンヒ)に次ぐ大富豪としても知られている。

アモーレパシフィックは、徐の父が70年前に創業した。同社の急成長は一見すると、近年アジアを席巻する韓流ブームに支えられたものに見える。いまや上海からジャカルタまで、アジアの中間層の女性らは韓流ドラマを視聴し、“Kビューティ”に憧れる。韓国の化粧品輸出額は2年間で95%成長し、14年には16億ドルに達した。

しかし徐に言わせると、アモーレパシフィックの成長は、韓流ブームに便乗したものではない。ブームの恩恵を受けた面もあるが、当初は独力で市場を切り開いたのだと彼は主張する。

「中国に進出したのは韓流ブームの前でした。当時からアジアで勃興する中間層に優れた製品を届けたいと思っていました」

徐が目指す、究極のゴール-。それは、同社が世界ナンバーワンの化粧品会社になるという野望だ。「我々はまだ入り口に立ったに過ぎません」

韓流ブームの「次」を見据える世界展開への野望

韓国のポップカルチャー隆盛の起源は、97年のアジア通貨危機にさかのぼる。大打撃を受けた韓国は同年、IMF(国際通貨基金)の管理下に入り、救済を受ける事態になった。韓国にとって屈辱的な出来事だったが、それが時代遅れの業界を切り捨てる好機となった。その一方でクリエイティブ産業が開花し、「ソフトパワー」を生み出した。

徐が父からアモーレパシフィックの経営を受け継いだのは、そんなアジア通貨危機の真っただ中にあったころだ。事業承継後、徐はただちに事業改革に乗り出した。同社の市場は当時、ほぼ韓国国内に限られており、女性販売員が各家庭に訪問販売する古いビジネスモデルだった。

文=Forbes JAPAN編集部

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