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2016.06.17 12:00

フォルクスワーゲン傘下のシュコダ、米進出を検討か

Zavatskiy Aleksandr / Shutterstock.com

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ディーゼル不正(排ガス規制逃れ)の発覚で深刻な打撃を受けているフォルクスワーゲン(VW)が、現在の中核モデルに代わる“格安ライン”として傘下のシュコダ(Skoda)ラインの米進出を検討していると報じられている。

ロイター通信によれば、シュコダは北米をはじめ、現在は販売を行っていない地域の市場への参入の可能性を評価中。スペルブ(セダン)、オクタビア(4ドアハッチバックとワゴン)、そしてイエティ(小型クロスオーバー)の3つのモデル名について、商標登録を申請したということだ。

シュコダは東欧での売れ行きが減速傾向にあるとされている。VWが販売不振に苦しむ米市場に進出すれば、特にここ数年は力を入れていなかった低価格市場での売上増につながる可能性がある。現在、米市場で販売されているフォルクスワーゲンの車の中で最も低価格なのはゴルフ。“低価格”とはいえ、1台およそ1万8,500ドル(約196万円)からだ。

1990年にVWの子会社となったシュコダの車は、チェコ、中国、ロシア、インドとスロバキアで生産が行われている。今後注視すべきは、米消費者がこれらの地域で生産された車を買おうと思うかどうかだ。一定の年齢の消費者たちは、80年代に北米市場で大失敗したザスタバ社のユーゴ(Yugo)を思い出すだろう。旧ユーゴスラビアで生産され、北米で輸入・販売されたユーゴは破格の低価格だったが、あまりの品質の悪さに販売が行き詰まり、撤退した。

また、シュコダ自身もかつて1960モデルイヤーの小型クーペを米市場に輸出したが、値段設定が高すぎたことと品質に信頼を得られなかったことですぐに撤退した過去がある。そのため、シュコダが米市場で存在感を示せるかどうかについてアナリストたちは懐疑的だ。米消費者の間で人気が高いSUVやクロスオーバーの開発について、同社は出遅れた感が否めない。
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編集=森 美歩

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