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2016.06.15 07:30

リンクトインに終わらない? 近視眼的な投資家を見捨てるIT企業が増加か


ウォール街ではIT、ソフトウェア、ハードウェア、SNS各社の買収や合併に関する協議が進められている。ソーラーウィンズ(SolarrWinds)、クリック(Qlik)、マルケト(Marketo)、デマンドウェア(Demandware)、シーヴェント(Cvent)などがそうだ。また、大手投資ファンドのベイン・キャピタル傘下のブルーコートシステムズ(Blue Coat Systems)は、シマンテックとの合併を決定。ヒューレット・パッカード・エンタープライズは、エンタープライズ・サービシズ部門を分離し、情報技術(IT)サービス会社のコンピューター・サイエンシズ(CSC)と合併させた。

こうした一連のM&Aの流れからみえてくるのは、投資会社や豊富な資金を持つ戦略的買収者らが、テクノロジー株を安く手に入れようと列をなす構図だ。そして、この状況がすぐにも収まる気配はみられない。米大統領選が近づくなか、株式市場の緊張は高まり続けているようだ。そうしたなかで、株価収益率が高いテクノロジー系企業の株は、売られやすくなっている。

1四半期の業績不振とその後の見通しの停滞を理由に株式市場がリンクトインへの関心を失った一方で、マイクロソフトは同社の長期的な可能性を有望視した。同社は6月13日、リンクトインのモバイルトラフィックが増えていることに加え、ユーザー数の19%増加と求人情報の掲載件数の倍増を明らかにした。

マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは今回の買収について、「両社が協力することにより、リンクトインとオフィス365、ダイナミクスの成長を同時に加速させることができる」と理由を説明している。



編集=木内涼子

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