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2016.06.16

まずは乱読で「市況」と「手法」の蓄積を[海外不動産投資術 第2回]


乱読が大切だというもうひとつの理由は、あなたにとって最適の投資手法はあなたにしかわからないということです。残念ながら万人に有効な最善の投資手法などというものはありません。どんな投資にも長所も短所もあります。ある投資家にはベストな方法でも、それがあなたにとってベストとは限りません。不動産投資家のおかれている状況は十人十色です。

不動産の物件情報の収集や管理に使える時間がどれくらいなのか? 自己資金はどれくらいまで出せるのか?最悪の場合、どれくらいまでならリスクを許容できるのか? など、様々な要素を考慮する必要があります。その上で、自分に合った投資手法を見つけていかなければなりません。

それと同時に、市場環境も常に変化しているため、その時々に合わせて投資方法も柔軟に対応させなければなりません。本が出た当初は書かれている手法が通用できたとしても、今でも上手くいくとは限りません。単に本に書かれていることを鵜呑みにするのではなく、今の市場、自分の状況に合わせたらどのように活かせるかという視点を養う必要があります。

このように、まずは最低限のベースとなる知識を得て、自分に合った投資手法を見つけ、自分の状況に合うように対応させていかなければなりません。テクニックは常に古くなり、小手先だけの知識は役に立たなくなってしまいます。しかし、学習を通して自分で考える能力や発想力、知恵といったものは、あなたの一番の武器になります。

本に書かれていることを自分の状況に合わせて判断できるようになれば、具体的にとるべき行動も明確になっているはずです。セミナーや不動産投資コミュニティに参加して自分に合った投資手法の理解を深めてもいいですし、すぐに物件を探し始めてもいいと思います。自分で判断できるベースとなる知識ができ、聞くべきこと、わからないことが何かわかるようになればいいのです。

あとは行動や経験から学んでいくことになります。この最初のプロセスにかかる初期投資はせいぜい10万円程度の書籍代だけです。しかし、このあなた自身への投資は何よりも大きなリターンにつながるといえます。


文=當麻 智

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