ウォルグリーンズは、6月12日夜に声明を発表。1月にカリフォルニア州パロアルトのドラッグストアでの血液検査サービス打ち切りを決定したのに続き、アリゾナ州のウェルネスセンターも閉鎖する決定を下したと明らかにし、これらの決定は「ウォルグリーンのいかなる店舗でも今後、セラノスのサービスを提供しないことを意味する」とした。
アリゾナ州にあるウォルグリーンの店舗に設けられていた40のウェルネス・センターは、すべて閉鎖されることになる。これらのセンターが重要な収入源だったセラノスにとっては、大きな打撃だ。
「セラノスが無効とした過去の検査結果の数や、メディケア・メディケイドサービスセンター(CMS、連邦保健社会福祉省の公的保険制度運営センター)がセラノスの修正プランを受け入れず制裁を検討していることを踏まえて、当社はセラノスとの関係について慎重に検討を行った。その結果、同社との提携関係に終止符を打つのが、顧客にとって最大の利益であると考える」と、ウォルグリーンズのシニア・バイスプレジデント、ブラッド・フルーゲルは語った。
ウォルグリーンズは早い時期からセラノスを評価し、同社の血液検査事業が投資家や一般の人々の信頼を得る手助けをしてきた。そしてセラノスは、エジソンと名付けた同社の血液検査装置の機能について、競合のラボラトリー・コーポレーション・オブ・アメリカやクエスト・ダイアグノスティックスに勝ると主張してきた。
だがこの1年、ウォールストリート・ジャーナル紙による一連の報道や、CMSをはじめとした複数の連邦機関の調査によって、セラノスの提供する検査サービスや創業者のエリザベス・ホームズCEOに疑惑の目が向けられるようになっている。
それを受けてウォルグリーンズに対する圧力も高まっていたため、今回の提携解消は予想された動きだった。ドラッグストアチェーン、ライト・エイドの買収に向けた最終調整を行っているなか、セラノスとの提携関係は、投資家や一般消費者のウォルグリーンズに対するイメージ悪化を招いていた。
提携解消にあたって、ウォルグリーンズがセラノスに金銭的補償を行わなければならないかどうかについては、明らかにされていない。
ウォルグリーンズは声明の中で、1月に同社幹部が「セラノスに対して、ウォルグリーンズのウェルネスセンターを通じて提供した検査データについて、CMSの調査対象となっているカリフォルニア州ニューアークの研究所に送るのを即座にやめるよう通知した」としている。
また、セラノスに対して「アリゾナ州内のウォルグリーンズの店舗にあるウェルネスセンターで提供した検査データの分析は、フェニックス地域にあるセラノスの公認研究所、または認定第三者機関のみで行うこと」との通知も行ったと声明で説明。「CMSが疑問を提起した全ての問題が完全に解決されるまで、ニューアークの研究所には一切の患者サンプルを送ってはならない」と要請したことを明らかにした。