サイバーアークのソフトウェアは、「各組織が社内でもクラウドでも、特権アカウントのより優れた安全確保、管理と監視を行うことを可能にする」と創業者でCEOのウディ・モカディは説明する。同社は過去4年間で急速な成長を遂げており、モカディによれば「総売上高は2011年の3,640万ドル(約39億円)から、2015年には1億6,080万ドル(約171億円)に増加した。340%以上の成長で、年平均成長率だと45%になる」
同社は、特権アカウント管理(PAM)市場のリーダーと目されている。Fortune100企業の40%、世界最大手の銀行20行のうち17行が、ハッカー攻撃や従業員によるデータ盗用からアカウントを守るためにサイバーアークのソフトウェアを採用している。
成長の推進力となっているのが新規顧客。2011年以降は金融サービス系の企業が一番の収入源だったが、ヘルスケア関連の顧客も増えて今では2番目に多いという。
海外進出も積極的に行っており、2015年には60か国で事業を展開(2011年から10か国増加)。最大の市場はアメリカで、2015年の売上高は9,200万ドル(約98.6億円)と2011年から417%増加した。ヨーロッパ、中東とアフリカの市場における売上高は2,870万ドル(約30.7億円)と、2011年から250%増。創業の地であるイスラエルでの売上高は、520万ドル(約5.5億円)と2011年から86%増だった。
2011年以降、サイバーアークでは研究開発、販売・マーケティングと顧客サービス部門を強化。研究開発部門のスタッフは2015年末までに226%、販売・マーケティング部門のスタッフは339%増員した。
最近では、いわゆるチャネルパートナーとの協力関係拡大に投資を行っている。現在のパートナーは250以上。モカディによれば、2015年の売上の約60%が、これらのチャネルを通じた販売によってもたらされた。
“C3アライアンス”と称する技術パートナーエコシステムも形成しており、これによって「企業向けソフトウェア、ITセキュリティおよびサービスプロバイダが協力し、特権アカウントのセキュリティをさらに向上させ、顧客を脅威から守ることができるようになる」とモカディは言う。