そして、学習労働者は組織にとって、従来の労働者よりもずっと価値がある。変化を続ける職場環境に適応する能力があるからだ。特定の業界や技術についてのスキルを持っていることは、数百年前、あるいは数十年前でも強みだったが、最近では技術があまりに速いペースで変化を続けているため、特定のプログラムやシステムの使い方を知っているだけでは役に立たないのだ。
学習労働者の増加に伴って、“学習組織”も増えている。業界の変化に適応し、それと共に進化を遂げる学習労働者が率いる組織だ。手堅い計画やプロセスの代わりに、学習組織は共同作業と革新に価値を置く。仕事の未来が形を変えつづけるなか、各組織の中で先頭に立っていくのが、こうした学習組織だろう。
知識労働者から学習労働者に変わるのは、難しい場合もあるだろう。仕事の学び方について私たちは、これまであまりに長い間、特定のプロセスをすりこまれてきたからだ。だが今後新しい世代の労働者たちが、新しい考え方や、新しい知識欲・成長欲を持って企業に入っていく。学習労働者としての彼らの意欲が、職場の姿を変えていくことができるかもしれない。