同社をはじめミールキット販売会社のウェブサイトに掲載されているレシピを見ると、確かに多くのレシピに、普段なかなか使わない材料が含まれている。アマダイやざくろの糖蜜、ガラムマサラなどだ。さらにCardlyticsの調査によれば、ミールキットの定期購入者たちは、アマゾン・プライムやウーバー、GrubHub(フードデリバリー)など、ほかにも利便性の高い小売業者を使う傾向が強い。
このことから、ミールキットの定期購入者にとって、利便性がきわめて重要であることが伺える。だがブルーエプロンの広報担当は、利便性だけでなく価格と品質でも食料品店と張り合っていると語る。独自のサプライチェーンを確立して食料品店よりも新鮮で格安な食材や、「フェアリーテイル種のナス」のような珍しい野菜を調達しているという。
Cardlyticsの広報担当は、ミールキットの定期購入をする人々は一般に、高級食料品店を利用する率が高い。またミールキットを購入するようになって食料品店に行く頻度が減っても、平均的な買い物客に比べて食料品店での支出額は1回あたり28%多い。
食料品店だけでなく、カジュアルダイニング業界もまた、ミールキット産業の影響を受けている。Cardlyticsの調査によれば、ミールキット利用者は、同サービスの定期購入前は(チリーズやTGIフライデーズなどの)カジュアルダイニングを頻繁に利用。食費の37.2%を費やしていたが、ミールキットの定期購入後はその割合が34.2%に下落している。
トレーダー・ジョーズとホールフーズでは今のところ、ミールキットのサービスへの直接的な対抗策をとる計画はないという。