西欧でもグーグルのFitやナイキのRunningなどフィットネスアプリが急増している。Keepは3,000万以上のユーザーを持つ中国最大手の一社で、中国のiOSアプリのヘルス&フィットネスカテゴリーでダウンロードランキング2位につけている。
「我々が投資したのはKeepだけでなく、若い世代に広がる健康的なライフスタイルのトレンドだ。中国でスポーツとフィットネスセクターは黎明期にある」とGGV Capitalの副社長、リー・ハオジュン(李浩軍)は強調した。GGVがKeepに出資するのは、昨年9月のシリーズBで1,000万ドル(約11億円)を出資したのに続いて二度目となる。
関係者によると、Keepは直近のラウンドで調達した資金でアプリのコンテンツを充実させるほか、エクササイズ動画で使われているグッズやウェアを販売するEC事業の展開も視野に入れているようだ。
「GDP8000ドル超え」で健康市場は爆発する
中国の中間層が豊かになり、自由になるお金が増えるにつれて、同セクターは成長軌道に乗った。国営通信会社新華社の報道によると、70主要都市でジムに通っている人は、2011年から2015年にかけて年間4~500万人のペースで増加しているという。中国の一人当たりGDPは2014年に7590ドル(約81万円)になった。報道では、1人当たりのGDPが8000ドルを超えるとフィットネス産業が国の経済を支える産業に成長するとの識者のコメントも紹介された。
GGV Capitalのマネージングパートナー、ジェニー・リー(李宏瑋)は「中国では環境や食の安全の問題がクローズアップされ、健康的な生活への関心が非常に高まっている」と説明する。
食べたものや運動を記録するアプリは、15~30歳の若者層の人気を集めている。2014年後半に北京で創業したKeepは、運動や睡眠パターンの記録だけでなく、食習慣のアドバイス、トレーニングやエクスサイズ動画を提供することで、独自性を打ち出そうとしている。