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2016.06.12

「オーガニックの効果」を誇張、スウェーデンのスーパーの実験動画が問題に

Sean Gallup / gettyimages


報告動画はまた、実験で検知された農薬成分の濃度が人体に既知のリスクをもたらすレベルではないことにも触れていない。だが動画を見た人々の大部分は、この実験の結果に、実質的にはマーケティング戦術以上の価値がないとは気づかなかっただろう。

そして実験から1年以上が経過したなか、スウェーデンの作物保護協会が、人々を誤解に導き、また不正確な広告を行ったとしてコープを訴追する意向だと報じられた。

殺虫剤メーカー9社で構成される同協会は、コープの販促キャンペーンは非倫理的、違法で不正に操作されていると主張。コープに対して問題の広告の使用をやめ るよう求めており、使用が中止されなかった場合には200万スウェーデンクローナ(約2,618万円)の罰金支払いを求めている。

罰金の 金額はさほど高額ではないが、この問題はスウェーデンのみならず世界全体で、象徴的な意味において重要だ。問題の動画は大きな影響力を持ち、オーガニック食品は従来農法で栽培された食品よりも安全で健康にも環境にもいい、という誤った説を固定させる一因となった。既に“被害”は出ているが、それでも人々を 誤解に導く販促キャンペーンの非難はいつだって、遅くなってもしないよりはマシなのだ。

編集=森 美歩

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