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2016.06.10

多額の「贈与」で税額が不安? 全米注目の「チューバッカママ」

「チューバッカママ」ことキャンディス・ペイン photo by Lou Rocco / gettyimages


「贈与」か「賞品」か

ペインは今後、多額の税金を徴収されることになるのだろうか?それは、状況次第ということになる。“無料で”入手した場合にも、受け取った商品や現金、サービスはすべて、課税対象となり得る。ただし、「贈与」はこれに該当しない。

連邦税の課税対象は「贈与者」であり、「受贈者」ではない。ただし、企業が贈与者である場合には状況が異なる。米内国歳入庁(IRS)は、企業は一般的に、個人と同じ理由で贈り物をしないと考えるからだ。

ただ、裁判所はこれについて、「法の原則」に基づくものではなく、「経験に基づく行動原則」であるとの判断を示している。つまり、企業が贈り物をすることもあり得るという考え方だ。

IRSは当然、企業にただ財産を譲渡する以外の意図がないか確認するため、詳しく調査するはずだ。企業から贈与を受けた場合に重要なのは、受贈者に現在、または将来におけるサービスの提供やその他の義務が生じていないかどうかという点だ。

例えば、ペインのウォルト・ディズニー・ワールドへの旅行は、これに関連したメディアへの露出や、その後の同社広告への採用を前提としたものだったのだろうか。そうであれば、この旅の性質はまったく違うものになる。ペインは贈与を受けたのではなく、報酬を得たことになるのだ。

ファン・エキスポ・ダラスの場合はより明確だ。ペインは主催者から出演料を受け取ったとされており、これは課税対象となる収入だ。

事実と状況次第で、事情は変わる。これまでに受け取ったものがすべて贈与とみなされれば、課税対象となるのは贈与者であり、ペイン一家にとってはありがたい話だ。だが、重要なのは贈与者の意図だ。その企業は、ただ相手を喜ばせようとしただけなのか?代わりに何かを得ようとしたのだろうか?

ペインと同じ立場に置かれるようなことがあれば、税金の支払いについては専門家の意見を聞いてみたほうがよさそうだ。

編集 = 木内涼子

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