企業価値6.5兆円 ウーバーの巨額調達に囁かれる「死角」

Uber CEO Travis Kalanick photo by Michel Porro / gettyimages


サウジの投資家がウーバーに役員を派遣

ウーバーについて注視すべき点があるとしたら、これまでと投資家の質が変わってきたことだ。例えば、巨大投資ファンドのタイガー・グローバル・マネジメントはウーバーの競合にも出資しており、これまでにない選択だと言える。個人資産家についても同様だ。彼らは投資判断をするに当たって事前にウーバーの財務内容を見ることができなかったようだが、それでも約5億ドルを出資した。そして今回は新たにサウジアラビアの政府系ファンドが加わり、ウーバーに取締役を派遣する予定だ。ウーバーは2か月ほど前に同社としては初の女性取締役を迎えたばかりだが、サウジアラビアでは女性が車を運転することを禁じている。

ウーバーに最初に出資をしたベンチャーキャピタリストの一人であるベンチマークのビル・ガーリーは、4月に自身のブログで次のように述べている。「これらの投資家は、最後の頼みの綱と言える存在だ。言ってみれば、5時間続いた野球の試合の14イニング目にお願いするような相手だ」。ウーバーの資金調達力が限界に近いのかもしれないが、これまでのように大方の予想を裏切り、今後も際限なく資金を集め続けるのかもしれない。

編集=上田裕資

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