「バナナを食べる女性の映像」に批判 中国でも加熱のライブ動画配信市場

VCG / gettyimages

ツイッターのPeriscopeやフェイスブックのLiveなど、世界の若者がライブ動画配信アプリを利用している。しかし中国では、人気の“質”が違う次元にある。

数百万人のネットユーザーがオンラインでストリーミングを視聴する中国では、この数年で動画配信アプリも何百と登場した。毎日3、4時間をライブ動画配信アプリIngkee(映客)でのユーザーとの交流に費やしているニック・リーは「自分が注目されている快感を味わえる」と語る。

ブランド力を高めたい中国の有名企業も、ブームに乗り遅れまいと動いている。中国一の富豪でワンダグループの会長、ワン・ジエンリン(王健林)は先日、自社のテーマパークを訪問したり、プライベートジェットで移動を楽しむ様子をライブ動画配信した。スマホメーカー、シャオミ(小米)の創業者レイ・ジュンは5月、ストリーミング中継でドローンを発表し、ファンと直接交流した。どちらも数百万人が視聴し、スクリーンにはリアルタイムのコメント“弾幕”やテキストのメッセージが流れ、双方向のやり取りが行われた。

セレブの生活を見たり、若い美人との会話を楽しむなど、ライブ動画の活用法は広がっている。上海のベンチャーキャピタルGobi Partnersのパートナー、シュー・ケン(除晨)は、アプリの人気が沸騰している理由を、「経済成長が遅れている地方都市では娯楽の選択肢が少ない。スマホのストリーミングアプリは、魅力的な異性との出会いを求めるニーズをとらえた」と説明する。ストリーミングのプラットフォームで花やおもちゃ、車などのバーチャルギフトを買って動画の出演者にプレゼントするビジネスも増えている。
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編集=上田裕資

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