しかし、LINEの最大の敵は何といってもフェイスブックだ。ネットを使う16歳から24歳の91%がフェイスブック、メッセンジャー、インスタグラム、ワッツアップのアカウントを保有していると言われ、新興市場でのシェアは100%近くに達するという。
「フェイスブックユーザーの大半は、同社のエコシステム内に囲い込まれており、メッセージングアプリならワッツアップかメッセンジャーを選ぶ可能性が極めて高い。これはLINEにはない強みだ」とマンダーは話す。
言い換えれば、LINEにはタクシー配車やフードデリバリー、ゲーム、スタンプ、モバイル決済があっても、ユーザー数が少ないためにフェイスブックメッセンジャーやワッツアップの驚異的な成長を可能にしたネットワーク効果が実現できていないということだ。
「ソーシャルネットワークやアプリの世界では、友人の多くが使っているということがそのサービスを利用する最大のモチベーションになる。ユーザー数がクリティカルマスに達しなければ、どれだけ優れたサービスを提供しても利用者の数は限られてしまう」とマンダーは指摘する。