「子育てしながら議員を続けるのはおかしなことですか?」産休明け、金子めぐみ議員が語る(後編)

自民党の金子めぐみ衆議院議員

自民党の金子めぐみ衆議院議員が、2月に無事長男を出産、約2か月の産休を終えて国会復帰した。

不倫問題で議員辞職した夫の宮崎謙介氏のことはどう考えているのか? また、日本で女性議員が子供を持つということはどういうことなのか。母の目線から考える必要な政策とは―。金子めぐみ議員に話を聞いた(前編はこちら)。

谷本有香(以下、谷本):夫の宮崎さんの「育休宣言」も世間で大きな議論を呼びました。賛否あったものの、男性の育休取得に関する問題提起につながったと思います。党内では育休の勉強会も結成し、積極的に政策を推し進めようとしていたそうですね。

金子めぐみ(以下、金子):宮崎の件でみなさんにご迷惑をおかけしましたこと、重ねてお詫びいたします。ネットや報道関係、マスコミの方々も、今回の件をたくさん話題にしてくださいましたよね。賛否でいうと否定的な反応のほうが多かったとは思いますが、みなさんが考えるきっかけになったのであれば、本当に救いになりますし、彼が育休宣言をした意義はあったのだと思います。

否定的な意見を拝見していると、国会議員が「育休」、つまり、休みを取るのはどうなんだ、と表面的な捉え方をされていることが多いように思います。「男性は外で働くもの」という考えが根強く残る中、ましてや国から給与をもらって働く国会議員が仕事を休むのか、という声が批判の中でも大きかったんですね。

やはりマスコミの影響は大きいので、宮崎もどのように報道されるかを考えて発信すべきでした。騒動後、少しずつブログ等で説明してはいますが、最初に「国会議員、子育てのために仕事を休む」と報道されてしまったことで、その部分だけが注目され、拒否反応につながってしまったのではないかと思います。

実際には、重要な会議には出席し、自宅で育児をしながらできることは在宅で行うつもりでおりました。男性が「仕事」と「育業」を両立できるよう、そのきっかけ作りとして、まずは官より始めよう、そのための育児宣言なのです、というような言い方をすれば良かったのでは。

今後男性の育休取得を推進していくにあたっては、育児「休業」ではなく、育児「業務」に参加する時間を作るための機会と捉えて、「育児参加」もしくは「育児業務」と呼ぶなど、名称変更も視野に入れていきたいと考えています。

現状のままではおそらく男性の育休取得率を上げるのは難しいと思いますし、まだこれから取得したい人が取得しやすい制度をつくっていく段階です。キャリアのことを心配される男性の方々は、今回のことを見て「やっぱり難しいな」と引いてしまったような気がするので、もっと議論を重ねていきたいですね。

谷本:今後、政策として取り組んでいきたいことはありますか?

金子:やはり女性の産休・育休問題です。自分自身が経験したこともあって、何とかしなければと切実に感じています。県や市、国や地方という枠組みを超えて、日本のまだまだ変わりきっていない部分を、政治から一緒に変えていく仲間を集っていきたいと思います。
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構成=筒井智子、写真=藤井さおり

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