だがそのエンゲージメントの度合いは、従業員によってばらつきがあり、それには年齢や性別といった要因が大きく関係している可能性がある。
市場調査&データサービス会社クオンタム・ワークプレイスは最近、これに関するある調査結果を発表した。2015年に8,700企業以上、500万人を超える従業員から集めたデータを集計したところ、エンゲージメント率は男性が72.7%、女性が67.9%と、全体としては男性の方が高かった。会社に「貢献している」(調査によればエンゲージメントよりは士気や情熱の度合いが低い)と回答したのは、男性が30%近く、女性は24.6%だった。
同社が過去に集計したデータと比べると、2015年は男女ともに職場でのエンゲージメントの度合いが向上しているが、男性は11倍の向上が見られた。
男性と女性ではエンゲージメントを促す要因は異なる。しかし、なぜ結果に差が出るのかと尋ねると、クオンタム・ワークプレイスのグレッグ・ハリスCEOは、賃金の格差や努力が公平に報われるかどうかについての感じ方に違いがあるのではないかとの見方を示した。
「給与については驚かない。よく報じられていることだから」とハリスは言う。ハリス自身、自分以外のプロフェッショナル(職場に焦点を当てたパネリストや会議でのスピーカーなど)に、性別によるエンゲージメントの差について尋ねてみたという。すると中には、男女の賃金格差がなかなか是正されないことを考えると、エンゲージメントの差が思ったよりも小さいことに驚いているという声もあった。
全ての企業で給与の格差が問題だとは限らないが、今回の調査における回答者たちは、この問題に影響を受けている可能性がある。「問題が実際の給与格差なのか、それとも給与に格差があると感じていることなのかは分からない」とハリスは言う。「これらの企業の実際の給与データは入手していない」