「未来の同僚」の横顔とは? 米大手企業にみるロボットとの協働

ビル・ザナーCEO(写真=ジャメル・トッピン/ジョナサン・コゾウィック/ティム・パネル)


ロボットにだって芸術作品を創れる / AUTODESK

米設計ソフトウェア会社「オートデスク」に勤めるエヴァン・アタートンは、自主制作の短編映画で“ロボットがスケッチをする”場面を撮りたいと考えていた。

そこで、同僚のデビッド・トマソン(写真)に本物のロボットを訓練するように依頼。線画から始め、曲線も描けるようにプログラミングした。今後はペインティングやモーションキャプチャを教える予定だ。
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トマソン曰く、「ロボットは単に実用的なツールじゃなく、創造性豊かなパートナーになれる」。

すべてのロボットが短時間で学習! / RAYTHEON

米アリゾナ州ツーソンにある軍需製品メーカー「レイセオン」の工場は、人間とロボットであふれている。同社はロボットを自作していない。すべて他社から購入し、共通のソフトウェアを組み込んで訓練している。
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そこで、ロボットに新たなコマンドを与える際は、まずは同社のソフトでシミュレーションした後、試運転を行う。オペレーターのチャールズ・スコット(写真下)によると、全工程は「短いときは数時間、長くても1日で済む」という。

その使いやすさは、まるで「iPhone」 / ABB ROBOTICS

産業用部品製造大手「ABBロボティクス」の最新ロボット「YuMi(ユーミ)」は、ロボットを使ったことがない顧客向けに作られた。名前の由来は、「You and Me(あなたと私)」から。そしてユーザーインターフェース(UI)は、アップル社のiPhoneにインスピレーションを得たという。

「iPhoneのように、洗練されたプロダクトでありながら、直感的に使えるからだ」と、同社のエンジニアバーティル・トバルソンは語る。
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そうしたこともあって、ユーミはタブレット型端末と専用のアプリを使って簡単にプログラミングできる。もちろん、使い慣れた顧客は、搭載されているソフトウェアをフル活用して電子機器も製造しているくらいだから高性能だ。それでも、今回登場した産業用ロボットの中では、ユーミが一番使いやすいのは間違いない。

文=Alex Knapp

この記事は 「Forbes JAPAN No.23 2016年6月号(2016/04/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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