レコード人気の高まりは明らかだ。ビルボードによれば、米国では4月17日の「レコードストア・デイ」にレコードの売上が131%増加。4月21日までの1週間で52万1,000のアルバムが売れた。
実店舗型のレコード店は相次いで閉鎖しているが、それでも毎週、数多くの再発行が発表されている。ユニバーサル・ミュージックはつい先日、マーヴィン・ゲイのベスト・セレクションを発売。それには1972年の大ヒット曲「ワッツ・ゴーイン・オン」も収録されている。
ピンク・フロイドは、過去の全アルバムをアナログLPで復刻させるプロジェクトを開始する。ピンク・フロイド・レコーズとコロンビアからの発売で、第一弾として「夜明けの口笛吹き」「神秘」「モア」と「ウマグマ」の4作が6月3日に発売。その後の復刻版も含めすべて原盤と同じパッケージングで再発表される。つまり1973年に発表された「狂気」の復刻版には、オリジナルの発表後、何十年にもわたって多くの学生寮の部屋を飾ったスティッカーやポスターがついていることになる。
また、今年亡くなったデビッド・ボウイは、アナログレコード愛好者たちに空の上から最後のプレゼントを残してくれたようだ。彼の遺作となった「ブラックスター」のLP盤のパッケージは、星形のくり抜きがある面を表にしてレコードを取り出すと、くり抜きの下の黒い紙に描かれた星空が見えるようになっている。