これまでの調査から、うつなどの精神疾患には行動療法が有効であることが分かっている。症状を引き起こす原因を突き止め、その問題にそれまでとは異なった対応をするというものだ。デジタル・プログラムを通じた回復訓練も、初期の治療方法として有効だということが確認されている。
企業には従業員の「回復力」が重要
「回復力」とは、ストレスを感じる状況にうまく対応し、切り抜ける力だ。これは、従業員の出勤率や仕事への満足度とも関連している。さらに、業績の向上や離職率の低下とも関わっている。
回復力のある従業員は、ストレスを感じると訴えることも少なく、仕事への満足感は4倍高いことが分かっている。さらに、欠勤率は50%低くなるという。
精神的健康の促進は明らかに、企業側の取り組みの一貫とすべき問題だ。そして、これを生産性と併せて考慮する際にカギとなるのが、従業員の「回復力」なのだ。
精神的健康に関する認識が徐々に、だが確実に高まりをみせる現在、企業は従業員や事業そのものに対して、そして自らに対して、率先して対策を講じていく義務を負っている。