米有名ブランドが「愛国心」を売り出した本当の訳とは

Photo by Drew Angerer/Getty Image


国民の意欲をかき立てるという点では、バーニー・サンダースが一番ましかもしれない。だが、サンダースは国民に対し、自ら変わることを訴えてはいない。彼が私たちを変化させるための許可を求めている。国民の半数は企業で働いているにもかかわらず、サンダースは反実業界、反富裕層であり、反“さまざまなこと”だ。そして、こうした敵を自分が倒すと主張している。トランプやクリントンとの違いは、自分の願望を人々に押し付けている点だ。

候補者たちは国を分断し、それぞれが自分というブランドを構築している。国民は自らの役割を見いだせないまま、取り残されている。さらに悪いことに、私たちは自分の国がどれほどひどい状態にあるかを思い知らされ続けている。もちろん、候補たちの言うことすべてを信じている人はいない。だが、何か月にもわたって自己嫌悪に陥るようなことばかりを聞かされてきた私たちは、愛国心にも自信を持てなくなっている。

大統領候補からこうした否定的な考えを聞かされている私たちに、国家のプライドを救出するための政治的な選択肢が与えられていないのは非常に残念なことだ。

「国民の心」をつかんだ各ブランド

こうしたなかで、私たちが米国人であることに自信を持つためには、ブランドに頼るしかなくなっている。

バドワイザーやコカ・コーラなどのブランドは、候補者たちよりもずっと賢い。彼らは国民の態度や痛みを感じる問題について、適切な対応がどのようなものかを調べることができる。そして大統領選を前にしたこの時点で、各候補の政治戦略の中にぽっかりと開いた穴があることを突き止めた。それが、国民を「鼓舞し、関与させる」ということだ。

同様のキャンペーンを展開するブランドは、今後もきっと出てくるだろう。米国には、後押ししてくれるものが必要だ。私たちが米国人であることについてより良い感情を持つことができれば、国にとって大きな利益となるはずだ。

編集=木内涼子

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