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2016.06.01 14:00

オタク人口2億人 中国で始まった「国産アニメ」制作バブル

(Photo by China Photos/Getty Images)

(Photo by China Photos/Getty Images)

中国銀行で働くラエ・ヤンは時間があればオンラインでアニメを見ている。27歳の彼女は毎日、「GANGSTA.(ギャングスタ)」や「銀魂」といった日本の人気アニメを何時間も視聴し、バーチャルの世界に浸っているという。

ヤンのようなアニメ好きの中国の若者は2億人にのぼる。日本のアニメ、コミック、ゲーム、そしてラノベ等をベースにした“二次元”マーケットは今年、2500億元(380億ドル、約4兆2,000億円)に達した。中信証券国際(CITIC)はバーチャルの世界を好む若者は今後も増加し、数年内にマーケット規模は5,000億元(約8兆4000億円)に拡大すると予測する。

アリババやテンセントも巨額投資

アリババやテンセント(騰訊)など中国のIT大手もその人気に着目し、アニメのストリーミングサイトや国内のアニメ制作会社に何十億ドルもの投資をしている。投資家たちは、中国の制作会社のクオリティが、いつか日本に追いつくと確信している。アニメやコミックを映画化、テレビ番組化し、広告やチケット、関連商品の収入につなげようとする動きも出ている。

上海のアニメ制作会社絵夢動画(ハオライナーズ)に出資している北京のベンチャーキャピタルSinovation Fundの投資責任者、チェン・ユエティンは「ラノベは今は若者向けのサブカルチャーだが、5年後にはもっと大きな文化になるかもしれない。大企業は遅れずについていく必要がある」と語った。

アニメ共有サイトのAcFunは昨年8月のラウンドでアリババの動画サイトYoukuTudou(優酷土豆)から5,000万ドル(約55億円)を調達した。その1か月後、深セン証券取引所に上場しているAlpha Animationは中国の漫画サイト有妖気を1億3,700万ドル(約150億円)で買収した。テンセントは昨年11月、中国アニメ作品を配信している動画共有サイト「ビリビリ(嗶哩嗶哩)」の株式の15%を3050万ドル(約34億円)で取得した。
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編集=上田裕資

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