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科学と医薬を担当。21世紀は生物学の世紀であると信じている

Yagi Studio / gettyimages

米政府が資金提供を行った研究で、携帯電話の使用とがんに関連があるという結果が示された。政治・評論雑誌のマザー・ジョーンズは「恐れていた時が来た」とこれを報じている。

しかし恐れることはない。複数の専門家は、研究結果は真実ではない可能性があると指摘。真実だとしても、ここで言われているがんはきわめて珍しいもので、総合的に見ればリスクは取るに足らないものだとしている。

「本当に心配なら、ヘッドセットを着用すればいい」と、米がん協会のオーティス・ブローリー医務部長は言う。

ブローリーは、これらの希少ながんと携帯電話が出す高周波のつながりを示す同研究の結果が本物だと信じている。しかし、研究結果は単なる偶然だという声もあり、NIH(米国立衛生研究所)外部委託研究局のマイケル・ラウアー副局長もその一人だ。

同研究では、あまりに多くの異なるタイプのがんに着目して調べたため、偶然に陽性結果が出た可能性もあるとラウアーは言う。テキサス大学MDアンダーソンがんセンター生物統計学部門のドナルド・ベリーは、研究報告の著者らが統計値を誤用したと指摘。報告書のどの結果についても、統計的に重要な意味があると考えるべきではないとしている。

科学者たちが研究結果を共有するためのウェブサイト、bioRxivに発表されたこの研究を実施したのは、米国国家毒性プログラム。NIHとFDA(食品医薬品局)、CDC(疾病対策センター)による共同プログラムであり、毒性物質の検査・研究では最も評価の高い取り組みのひとつだ。今回の研究ではマウスとラットを使用しているが、現在のところラットに関する研究データのみが発表されている。

報告によれば、ラットは2種類のがんのリスクが増加した。希少な神経がんである神経鞘腫と、脳のがんである神経膠腫(グリオーマ)だ。

ブローリーは、今回の報告が、携帯電話の高周波が一部の種類のがんを引き起こす可能性をはっきり示していると考えている。神経鞘腫はきわめて稀な病気だからだ。「これまで58年間、ラットの神経鞘腫など聞いたことがない」と彼は言い、故に今回の結果は科学的に重要な意味を持つと言う。DNAにダメージを与える放射性粒子や紫外線放射とは異なり、高周波がどのようなメカニズムでがんを引き起こすのかは分かっていない。

編集=森 美歩

 

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