ビジネス

2016.05.31

追加回収のタカタ製エアバッグ、再びリコール拡大へ 週内にも発表

Mark Wilson/Getty Images


リコール対象が多数に上るため、NHTSAはすべての修理が完了するのは2019年になると見込んでいる。実際に、対象のモデルの所有者に連絡を取ることは、必要となる交換部品の数を確実にそろえることよりも難しいだろう。多くは古いモデルで、なかには2000年代初めに製造されたものもあることから、所有者が数回にわたって変更されている可能性が高い。

新 車として購入した人に郵便で通知するのは、時間の無駄といえる。また、中古車としての登録情報も常に最新であるとは限らず、これらをさかのぼって現在の所有者を確認することも困難だ。仮に特定し、通知したとしても、所有者が確実に指示に従い、修理に出すかどうかは不明だ。NHTSAによると、5月20日時点でディーラーが修理を完了したエアバッグの個数は、840万にとどまっている。

タカタ救済は業界に不可欠か

一方、タカタは自社の再建計画の策定に向け、米投資銀行ラザードと契約。ウォールストリート・ジャーナルによれば、KKRをはじめとするその他の投資会社にも出資を要請している。

タカタはすでに、今後直面することになるだろう数十億ドルの負債に耐え得る経営状態ではない。2016年3月期の通期決算では、純損益が1億2,100万ドル(約134億円)の赤字を計上、保有する現金はおよそ5億2,300万ドル(約580億円)だった。

自動車メーカー各社は、タカタが負う債務の一部負担を求められることになるだろう。各社はこれに乗り気ではないものの、シートベルトやハンドル、カーエレク トロニクス、内装材などその他の部品も供給するタカタは存続させたい意向だ。各社ともに、ジレンマを抱える状況となっている。

編集 = 木内涼子

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