岐阜のプレス会社が新技術を開発 衣類物流に革命!

PONTE JAPANの「エスペランサ」は、世界初の「衣類“復元”真空圧縮パックシステム」。シワなく復元できる理由は水分制御技術にある。

起業家から、NPO、大学、老舗企業まで、住民総出の街づくり。あなたの街でも、すぐに真似できるモデルがあるかもしれない。全国23拠点を持つトーマツベンチャーサポートからの協力を得て編集部で厳選した、今、最もおもしろい地方のアイデア集。

衣類物流の川上のぼり。プレス業から圧縮梱包へ

プレス会社が、プレスを不要にする新技術を携えて物流革命に挑む。

PONTE JAPANの「エスペランサ」は、世界初の「衣類“復元”真空圧縮パックシステム」。特許を取得した特殊技術で圧縮パックをすることで、開封して30分(*1)もあれば、ほとんどシワなく衣類が復元する(*2)。衣類の物流・保管コストを劇的に軽減し、再プレスのコストを不要にする革命的技術だ。

代表の仁科貴博は、繊維の街・岐阜市で父が行っていたプレス業を継ぎ、輸入商品の仕上げプレス、とくに紳士物のスーツやジャケットのアイロンがけを20年間行ってきた。国内プレス業の先細りに危機感をもつなかで、2013年に出合ったのが「エスペランサ」。名古屋の繊維メーカーが独自開発したもので、その経営者から請われ、現在、国内の事業開発を一手に担う。

プレスという自社事業を“滅ぼす”技術だが、「転換に迷いはなかった」(仁科)。すでに全国のクリーニング店250店舗と契約し、特許技術を使った新サービス「安心快適パック」の販売を開始。アパレルに限定しないあらゆる企業を巻き込んだ、新しいビジネスモデルの構築を目論む。

local


PONTE JAPAN@岐阜県岐阜市

2013年創業。シワなく復元できる理由は水分制御技術にある。ある水分量で圧縮することで、開封時に発熱反応が起こり、アイロンや乾燥機と同じ作用でシワが伸びふんわりと復元する(*2)。

*1湿度条件による *2素材による

フォーブス ジャパン編集部 = 文

この記事は 「Forbes JAPAN No.22 2016年5月号(2016/03/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事