「電動歯ブラシ業界のアップル」を目指すQuipのチャレンジ

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クイップはクールさを追い求める消費者の心をくすぐっている。例えばアップル製品を彷彿とさせるブラッシュドメタルや、特別感を助長するサブスクリプション制度がそうだ。3ケ月おきに歯磨き粉やブラシヘッドが配送されるプランもある。この分野には男性化粧品の定期便サービス「ドラー・シェイブ・クラブ(Dollar Shave Club)」や洋服の宅配の「スティッチフィックス(StitchFix)」といった成功モデルがある。定期的にクイップ製品が自宅に届けば、自分が選ばれた存在のような気がするだろう。

歯の専門家は、いかなる電動歯ブラシも歯の健康を保つうえで必要だとは考えていない。アメリカ歯科医師会の代表も「大事なのは健康的な食生活を送り、定期的に歯医者に通うことです。口腔内の健康を保つのに電動歯ブラシを買わなくてはいけないことはありません」と言う。

しかし、クールな歯ブラシが歯磨きの憂鬱さを軽減してくれとしたら、それは非常に意義深い。歯科医師たちは何十年も前から自宅におけるオーラルケアを向上させようとしてきたが、クイップがそれを実現するかもしれない。次に求められるのは、野菜を食べるのが少しでも楽しくなるツールかもしれない。

編集=上田裕資

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