「Eメールを死に追い込む戦い」にSlackの盟友、Front社が参戦

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Frontは企業のメールボックスを足がかりに、その利用範囲を広げていこうとしている。企業の受信箱ではチームメンバーが外部企業と交わすメールや、役員らがアシスタントに与える業務指示のメール等がシェアされている。共有されるメールは多くても全体の20%程度かもしれないが、コリンズはここから全てが始まると考える。チームのメールの利用状況を分析し、特定のメンバーが大量のメールを受け取っていることや、特定の日時に利用が集中していることを暴き出す。そのデータを活用し、業務フローの改善や自動返信メールの設定を行ない、各メンバーの業務負担を軽減するのだ。

今後、Frontが最も活躍を期待される場面としては、送信済みメールを共有の受信箱に移動させ、そこを起点に外部のメッセージアプリを用いたコミュニケーションが始まることや、SNSとの連携が挙げられる。インデックスベンチャーのイリヤ・フシュマンは「Frontが企業の受信箱に組み込まれることで、Slackが社内コミュニケーションで実現したことを、Frontは社外コミュニケーションで実現します」と解説する。

Frontには多くの大物投資家たちが資金を注いでいる。ソーシャルキャピタルの最大の投資先企業であるインターコムもまた、Frontに出資を行った。インターコムは顧客とのリアルタイムのやりとりの改善のため、1億1600万ドルの資金調達を実施している。

決済ソリューションのストライプ社CEOのパトリック・コリソンやメッセージアプリ MessageMeの元CEO、アルジュン・セシもFrontへの支援を表明している。

しかし、Frontはまだ小規模な企業で、最近ようやくマーケティング戦略を練り始めたところだ。同社は間もなくiPhoneとiPad向けのアプリを公開する。

「我々はこれまでメールを統合的に、さらに便利にする試みを行ってきました。Frontは今後、メールをもっとスマートに活用する方法を提案していきます」とコリンズは述べた。

編集=上田裕資

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