そして我々の格付けが信頼される理由はいくつかありますが、1番の理由は、1958年から継続して格付け評価を行ってきたことです。そして2番目の理由は、評価をする担当者にあります。評価担当者はすべて、スパ、レストラン、そしてホテルで経験を積んだエキスパートです。これは非常に重要な点です。
評価基準が明快であるならば、評価される側は、業界をよく知っている人に評価されることを望みます。何が最上級のサービスかを知っているわけですから。ただし、評価自体は覆面調査となります。ホテル側は、いつ評価されているか知りません。そして、評価担当者は誰よりもその業界に精通した、業界内の人です。世界規模で明快な基準を持ち、業界のエキスパートが評価を行っているのは、我々だけなのです。
―評価プロセスと5つ星の獲得に必要な条件をお話しください。
3つ星、つまり「お勧め」ですね、それから「4つ星」を獲得するには何が必要なのか、そして「5つ星」を獲得するのがどれほど難しいことか、シニア・バイス・プレジデントのアマンダがお話しします。
(以降アマンダ氏)たとえばホテルの場合、評価項目は557以上にのぼります。重要な評価は、通常、評価担当者が2泊3日ホテルに滞在して行います。「お勧め」ランクには、現在70%のスコアが必要で、「4つ星」は80%以上、「5つ星」は90%以上となっています。ただ、5つ星は、他とは少し違い、5つ星を得るためには更にいくつかの点で評価される必要があります。
週末になると、ジェラルドと私は5つ星候補のリストを検討して5つ星を決定し、その年の最新の5つ星リストを作成します。これは毎週のことです。そして、90%以上のスコアを獲得したホテルが現れると、そのホテルに対して、私たちが「適正評価」と呼ぶ評価を行います。この適正評価は、時には1度でなく、2度、3度、それ以上の回数にわたることもあります。これは、ホテルが一貫したサービスを提供しているかどうかを見るためです。
例えば、最初の評価担当者が、ビジネス旅行でホテルを訪れた女性客という設定だった場合、「適正評価」で2回目にホテルを訪れる人物は、まったく違う設定で訪れます。つまり、「平日にビジネス旅行でホテルを訪れた女性客」という設定から、今度は「週末にハネムーンでホテルを利用したカップル」という設定に置き換え、評価担当者を送り込むのです。そうすることで、そのホテルが一貫して最上級のサービスを提供しているかどうかが確認できます。
この一貫性こそが、すべての格付けの根幹であり、これほど多くの評価項目があるのはそのためです。特に5つ星は厳正な評価を重ねており、だからこそ、5つ星のホテルは世界でたった154軒なのです。5つ星を獲得することは、途方もないことなのです。