バンク・オブ・アメリカ傘下のUSトラストが毎年、保有する金融資産が300万ドル(約3億2.820万円)以上の人を対象に行っている「U.S. Trust Insights on Wealth and Worth(富と価値に関する洞察)」調査によると、人口のわずか1%ほどを占めるにすぎないこれらの人たちが億万長者になるまでの道は、“ゴールドで舗装されていた”わけではない。育った家庭も投資戦略も、意外なまでに平均的なものであることが分かった。
USトラストのキース・バンクス社長は、「富豪たちが人生において手にしていた強みは、金銭的に恵まれているというまれな環境ではなく、幼いころから家庭の中で身に付けた基本的な価値観や自制心、可能性に対する感覚であり、これらを通じて、あらゆる機会を最大限に生かす力を持ち合わせるようになっていたということだ」と説明する。対象者が684人に上った今回の調査結果から学ぶことができる最も重要な事柄は、以下の6つだ。
1. “先立つもの”は不要
調査対象者の77%は、中低所得層の出身。うち19%は、貧しい家庭で育った。これらの富豪の中で、財産を相続した人はわずかだということだ。現在保有している財産の元手について尋ねたところ、答えは以下のとおりだった。
・労働で得た所得─52%
・投資利益─32%
・相続、その他─16%
2. 両親の育て方が重要
子供のころに家庭で重視されていたことを3つ挙げてもらったところ、多かったのは、次の3つだった。
・学業成績
・お金の管理
・共同作業
また、富豪たちの80%は、「親はしつけが厳しかったが、自分の才能や関心事を追求することを後押ししてくれた」と回答。75%は、「両親と一緒に暮らし、感情的にも近い存在だった」と答えた。