アルバム「Coloring Book」はストリーミング配信のみでビルボードのトップ10入りを果たした、史上初のアルバムだ。チャンスの最新アルバムの正規版は、間もなく開設から1年を迎えるアップルミュージック限定で配信されており、ストリーミングのみで数万枚のアルバムに匹敵する売上を生み出した。
チャンスの最新作は先週から5,730万回再生された。ニールセンとビルボードは、1,500回のストリーミング再生を1枚のアルバム売り上げに換算している。この数式にあてはめると、彼のアルバムは3万8,000枚のフィジカルなアルバム売り上げを生み出したことになる。
今回の楽曲は今週金曜日までアップルミュージック限定で配信され、その後は他のストリーミングサイトでも利用可能になる。しかし、関係者はダウンロード販売の予定を明かしておらず、iTunesでのダウンロード販売や、店頭でのCD販売はかなり先のことになりそうだ。
チャンス・ザ・ラッパーという名前は、多くの音楽ファンにとって聞き慣れない名前と言える。ヒップホップ業界では知る人ぞ知るレベルの存在の彼だが、ビルボードの上位200位圏内に浮上したのは今回が初めて。初登場でトップ8に入った点も快挙と言える。
今年に入り、数多くのアルバムがストリーミングのパワーでチャートに浮上した。しかし、ストリーム限定の楽曲がチャートの上位に顔を出した例は他に無い。チャンスのケースを皮切りに、今後はますますこういった事例が起こることが予想される。音楽リスナーにとってストリーミングは、新しい音楽にアクセスする、最初の窓口になりつつあることは確かだ。