テクノロジー

2016.05.22 14:00

SNS運用を丸投げする会社は潰れる 「ソーシャルの掟」著者の視点

ソーシャルビジネスの専門家のクララ・シー (Photo by Thos Robinson/Getty Images for WIRED)

ソーシャルビジネスの専門家のクララ・シー (Photo by Thos Robinson/Getty Images for WIRED)

10年前にグーグルがビジネスに革新をもたらしたように、ソーシャルメディアが今日のビジネスのあり方を大きく変えている。企業がソーシャルメディアを最大限活用するためには、社内の全員がソーシャルメディアをよく理解し、積極的に関与する必要がある。
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しかし、多くの企業がこれを実践できていないとソーシャルビジネスの専門家のクララ・シーは、ベストセラー著書「ソーシャルビジネスの掟(The Social Business Imperative: Adapting Your Business Model to the Always-Connected Customer)」の中で指摘している。彼女は、ソーシャルメディア管理プラットフォームを運営するHearsay SocialのCEOでもある。

スターバックス取締役が執筆

シーは2009年にHearsay Socialを設立し、スターバックスの社外取締役も務めている。彼女は、著書を通じ、企業幹部らがソーシャルビジネスやデジタル戦略に積極的に関与するよう啓蒙していきたいとしている。この本に込められた彼女のメッセージは、「ソーシャルとデジタルは全社員の任務である」ということだ。
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同書は4月25日からアマゾンや大手書店で注目を集めている。シーは、「デジタルな業務を他人に任せたり、自分には無関係だと考えているビジネスマンに読んでもらいたい」と述べている。本の内容は、企業のあらゆる職種で活用できるものとなっている。

「大手企業らの多くが抱える課題は、ソーシャルメディアのビジョンを理解しながら、事業をソーシャルビジネス化できていないことだ」とシーは指摘する。彼女はその主な要因として、CEOやCMOが日々の業務に忙殺されてソーシャルメディアに手が回らず、若手のチームに全てを委ねてしまうことを挙げる。

ウォルマートの失敗から学ぶこと

「この状況は、90年代にウォルマートやシアーズなどの小売企業がオンライン戦略を若手チームに任せっきりにしていたのと酷似している。その結果、これらの企業は新興勢力だったアマゾンの台頭を許してしまった。経営陣は自らが率先してソーシャルやデジタル戦略をリードすることが重要だ」とシーは言う。

シーは2007年にソーシャルビジネスアプリの「Faceforce」を開発し、この分野の専門家としての地位を確立した。その後、「フェイスブックの世紀(The Facebook Era)」という本を執筆したことがきっかけで、29歳のときにスターバックスの取締役に就任する。

現在は、Hearsay Socialで主に大手金融機関を相手にソーシャルメディアやテキストメッセージ、メール、ウェブサイトなどを活用し、売上や顧客ロイヤリティを向上するサービスを提供している。最新の著書は、Hearsay Socialでの経験をもとに執筆したという。
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編集=上田裕資

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