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2016.05.22 11:00

10代の食生活と乳がん発症リスクの関連性、追跡調査で再確認

Tiina & Geir / gettyimages

10代の頃の食生活が、10年以上経った後に乳がんを発症する可能性と深く関連している可能性があることが改めて確認された。青年期(あるいはそれ以前)に健康的な食習慣を身に付けておくことは、その後の健康により大きな影響を及ぼすと考えられる。

過去にも同様の関連性を示唆する研究結果が公表されており、今回の発表はまったくの驚きという訳ではない。だが、私たちの食生活は間違いなく、さまざまな病気の発症と関係しているということを示すものだ。

英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)に先ごろ発表された調査結果は、米国で実施されている追跡調査「看護師健康調査Ⅱ(NHSⅡ)」に参加している看護師9万人から得られた生活習慣と健康状態に関する情報を分析したもの。10代の頃の野菜と果物の摂取とその後20年間における乳がんの発症リスクとの関連性についてまとめた。

その結果、10代の頃の果物の摂取は中年期における乳がん発症のリスクを25%低減させることが分かった。カロテンを多く含む(黄色とオレンジの)果物が深くかかわっており、中でもα-カロテンが豊富な果物と野菜(ニンジン、カボチャ、サツマイモなど)の関連が指摘された。

若いうちはリンゴとバナナを食べよう

食品と年齢の関連性についてより詳細に分析したところ、青年期のリンゴとバナナ、ブドウの摂取、成人前期のオレンジとケールの摂取が特にリスクの低減とかかわっていた。

一方、フルーツジュースにはリスク低減との関連がないと確認されたことは、注目すべき点だ。専門家らはここ数年、フルーツジュースを果物とは考えられないと指摘しており、今回の結果はそれを支持するものとなった。ジュースは大半が糖分であり、果物が特に健康に良いとされる理由である食物繊維が含まれていないためだ。

植物にはこの他にも、健康上の利点があるとみられる化合物が含まれている。抗酸化物質であるポリフェノールには細胞が受けた損傷の修復を助ける働きがあることが知られているが、明るい色の果物と色の濃い葉物野菜は、そのポリフェノールの含有量が多い。

また、野菜や果物を多く取ることが、腸内に生息する微生物にも影響を与えることが確認されている。この微生物の構成が、私たちの身体的、そして精神的な健康に多くの形で影響を及ぼすことも分かってきている。その働きがどのようなものであれ、若いうちからできるだけ多くの植物性の食品を取ることが、健康を保つ秘訣といえそうだ。

同じ研究グループは今回の調査結果の発表に先立ち、青年期の食物繊維の摂取が乳がん発症リスクを低減するとの結果を公表していた。食物繊維は特に果物と野菜に多く含有されることから、今回の調査はその結果を受けて行われたものだ。

編集 = 木内涼子

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