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2016.05.23

世界的な「砂糖削減」傾向、最も影響を受ける飲料メーカーは?

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コカ・コーラ12オンスあたりの平均砂糖含有量は、競合他社に比べて大幅に多い訳ではないが、同社では集中生産体制をとっているため、年間で使用する砂糖 は13兆グラムにのぼるとアナリストチームは指摘する。コカ・コーラの2015年の金利税引前利益は109億ドル(約1.2兆円)。金利税引前利益1ドル あたりの砂糖の量が、1,192グラムに達したことになる。

これに対してペプシの場合は、わずか413グラム。これは同社の飲料ポートフォリオがより多角的であるためだ。CLSAによれば、ペプシの世界全体でのオフプレミス販売(レストランやバー以外の小売店での販売)の売上の42%は非炭酸飲料。これは同社がスポーツ飲料、缶・ペットボトル入りの紅茶やコーヒー(それぞれリプトン、スターバックスとの共同事業)で大規模な市場シェアを獲得しているためだ。

炭酸飲料や砂糖に対しては否定的な見方が増えているが、それでもコーラとペプシの株価のバリュエーション(評価) は、市場全体に照らせば依然として妥当な水準だ。コカ・コーラの予想PER(株価収益率)は23倍、ペプシは21倍。これに対してS&P500 指数の予想PERは17だ。これは投資家たちが、炭酸飲料税や砂糖回避型文化の未来よりも、両社の未来を有望視していることを示している。

CLSAとしての評価は、コカ・コーラが「アンダーパフォーム」、コカ・コーラ・エンタープライズ、ドクターペッパー・スナップルとペプシが「アウトパフォーム」、モンスター・ビバレッジが「バイ」となっている。

編集=森 美歩

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