アマゾンCEOのジェフ・ベゾスは5月18日、ドナルド・トランプがかつて「ベゾスは税金のがれのためにワシントン・ポスト紙を買収した」と発言したことを、再度持ちだし、ポスト紙の編集者、マーティン・ベイロンとのQ&Aセッションで語った。
「この発言は大統領選に出馬する人物として、ふさわしいものとは思えない」とベゾスは述べた。「彼の発言は我々の表現の自由を奪おうとするものだ」とベゾスは付け加えた。
トランプは昨年12月、ツイッターでアマゾンを攻撃し、その二ヶ月後にテキサスの集会で再びベゾスをやり玉にあげた。「もしも俺が大統領になったら、彼らは困ったことになるだろう」とトランプはアマゾンについて言ったのだ。
トランプは最近もアマゾンに対する攻撃をやめておらず、先週はFoxニュースのインタビューでこう述べていた。「アマゾンは権力を握り、税金のがれをしようとしている。ベゾスはワシントン・ポスト紙で政治家に圧力をかけ、アマゾンが税金を払わなくて済むようにしているんだ」
編集者のベイロンは、トランプがベゾスを糾弾した6つの発言を読み上げた。その発言の中には、「ベゾスがワシントン・ポストを彼のおもちゃとして購入し、20名の記者たちにトランプの弱点を探るよう命じた」というものもある。トランプはこのことによりアマゾンが反トラスト法(独占禁止法)に触れていると発言した。
ベゾスはこれに対し、トランプの個別の発言にはふれず「私はアマゾンの企業としての姿勢や取り組みがふさわしいものだと思っています」と応えた。「アマゾンのような企業が、外部からその中身を詮索されたり、批判されたりすることは、自然なことです」
この発言に先立ち、ベゾスはトランプのような大統領を目指す者たちは、言論の自由を持つ記者たちから、ベゾスが受けたのと同様な詮索を受けて然るべきだと発言した。
「私たちがこの国のリーダーとなる人物について、詳しく知る権利を持つことは非常に重要です。判断を下すのは国民なのです。それが民主主義の根幹であり、判断を下すためには情報が不可欠です」
昨年12月、ベゾスはトランプの批判に対し、皮肉めいたツイートを返していた。
「トランプにはこけにされたけれど、我々としては彼をブルー・オリジン・ロケットで宇宙に放出する用意があります」と、ベゾスは#sendDonaldtospace(トランプを宇宙に送る)というハッシュタグを添えてツイートしていた。