マネー

2016.05.19

なぜいま不動産、しかも海外なのか?[海外不動産投資術 第1回]

ImageFlow / shutterstock

今回から4回にわたり海外不動産投資について書かせて頂きます。まずは、不動産投資の最大のメリット、そして、なぜ海外なのかにについてです。

不動産投資には、レバレッジが利くとか、インカムゲインが得られるなどのメリットもありますが、私は不動産投資の最大のメリットは「コントロールの幅の広さ」であると考えます。

株式投資などの紙の資産に比べ、実物の不動産は投資家が自由にコントロールできる内容が非常に多くあります。たとえば、内装や修繕で物件に付加価値をつけたり、契約条件を交渉したり、不動産の用途を変更するなど、非常に自由度が高いのが不動産投資です。

コントロールの幅が広いということは、投資家のコントロール力、言い換えれば、問題解決能力が投資のリターンを大きく左右します。同じ間取りの物件を購入した投資家でもその力量によって、賃料も変わってきます。高い賃料で貸せる人もいれば、低い賃料でしか貸せない人もでてきます。

たとえば、ある戸建てを賃貸した時の話ですが、賃貸希望者はご案内した家よりもっと大きな家を希望していました。詳しく事情を聞くと、住宅手当の予算内で一番大きな家を探しているのが分かりました。そこでこちらは、大きな家を借りるのではなくて、希望の家具やサービスを付け、賃料を住宅手当の限度額で借りてもらうことを提案しました。その結果、彼の希望する、インターネットや衛星放送、乾燥機、追加のTV、ホームシアターなどを提供することでより高い賃料での入居が決まりました。

このように、ちょっとした工夫や交渉でリターンが変わってきます。このコントロールの幅の広さこそが、不動産投資の一番のメリットなのです。

このメリットを活かすには、投資家自身の問題解決能力を高める必要があります。問題解決能力をあげるには、問題を自分の頭で考え解決していくこと以外にありえません。もちろん周りには沢山の専門家やプロがいてアドバイスをしてくれますが、最終的に意思決定し、問題を解決に導くのは投資家であるあなた自身です。

問題を解決に導く一番の秘訣は「その投資を行う根本の理由を明確にすること」です。単にお金を増やしたいという表面的な理由では無く、その増やしたお金で何を達成したいのか? 何を手に入れたいのか? といった、根本にある理由を明確にする必要があります。

投資には様々な困難や問題が発生してきます。海外不動産投資になると、まず間違いなく想定通りには進みません。投資で困難にぶつかったときにそれを乗り越えられるかどうかは、その投資を行う理由に大きく左右されます。

この部分が表面的で、資金を二倍にしたい、利回りを10%欲しいというような理由だと、問題を解決しようとする脳の力が十分に発揮されません。会社を三年以内に辞めるとか、夢だったお店を開くために安定した家賃収入を月30万円つくりたいといった具体的にイメージ出来るようにすることが大切です。
次ページ > 海外のメリット・デメリットは?

文=當麻 智

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事