競争の激しいドットコム業界で、途家は昔ながらの口コミを通じ成功の足場を作った。ヤンは「事業はうまくいっている。私たちの紹介できる物件は40万件以上あり、マーケット促進策をあまり取らなかったにも関わらず3月には過去最高の予約数を達成した」と自信を示した。
中国人の旅行での消費行動について、ヤンは自分の両親を例に出して説明した。彼女は以前、米国でオンラインで休暇用施設を貸し出すEscapediaで働いていた。当時、ヤンは両親を2週間の米国旅行に連れて行こうとしたが、彼らは後ろ向きだった。両親にとって、アメリカのホテルに2週間滞在することは、家庭的な中国料理を食べられないことを意味する。ヤンは結局、貸別荘を予約して親を連れて行った。
中国人は3世代で旅行することが多く、時には友達の家族まで伴う。標準的なホテルは、そのような大人数にとって高すぎる。
中国の経済減速も、途家にとっては追い風だ。中国では5,000万室が空き室になっているとのデータもあり、大量の空き部屋が発生している。こういった部屋は投資目的で購入されていることが多く、所有者はだいたい別の場所に住んでいる。
ヤンは「使われていない部屋を旅行者に提供することで、私たちは価値を提供できる。私たちは成長産業にいる」と結論づけた。
ヤンは米オンライン旅行会社エクスペディアでも働いた経験があり、Escapiaなどを経て2010年に夫と中国に戻った。その後はマイクロソフトで検索エンジン事業のアジアのオペレーションのトップを務めた。
途家には管理物件の清掃を担当するスタッフが3,000人以上いる。ウェブサイトに掲載されている42万件以上の管理物件は星によってクラス分けされる。旅行者の満足度も高く、宿泊者平均レートは5点満点の4.6となっている。
途家は事業の多角化にも積極的で、管理対象をコンドミニアムや高級貸別荘、アパートからビーチサイドの乗り物にまで広げた。また、対象とする物件も中国人旅行客が好む、海外の年にまで広げている。日本のオーナーも最近、途家のサイトに物件を掲載し始めた。ヤンは「私たちは、中国人旅行者の行くところに行く」と語った。