それでもテメルの閣僚人事は、もっと多くの女性起用を想像していた一部の有識者を驚かせた。テメルは30年前、ブラジルで初めて女性の権利擁護を掲げる代表団をつくった人物だからだ。かつてサンパウロ大学の社会学の教授だったエバ・ブレイはフォルハ・デ・サンパウロに対して「テメルが連邦政府入りしたら、この問題をさらに推し進めるだろうとずっと思っていた」と語った。「だが、そうではなかった。私たちはまた最初から、戦いを始めなければならない」
「重要なのは権利の代表だ。これほど男性優位の国においては、女性が要職に就くことが、その構造を解体する助けになる」と、ブラジリア大学でコミュニケーション学を学ぶケリー・タチアヌ・マルティンス・キリーノは嘆く。
「閣僚に女性が一人もいないのは、この国にとって後退だ」