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I write about innovation, lifestyle and luxury in China.

Chonlachai Panprommas / Shutterstock

アリババは偽ブランド品販売で集中砲火を浴びている。同社は4月、アディダスやバーバリー、アップルなど250社が加盟する非営利団体、国際模倣対策連合(IACC)への参加を認められた。

この決定は偽物やコピー商品を大量に流通させていることで悪名高い同社にとって、クリーンなイメージを国内外の消費者に植え付ける絶好の機会となるだろう。しかし、アリババの加入は、IACCメンバー間の対立も引き起こしている。

米ファッションブランドのマイケル・コースはアリババを「我々にとって最も危険で損害の大きい敵対者だ」と非難し、IACCから脱退した。アリババのサイトにコピー商品が出回っているグッチも後に続いた。グローバルブランド400社が加盟する反模倣品連合Unifabもアリババには敵対的な目を向ける。同団体の複数のメンバーは、アリババがより厳しい模倣品対策を取らないなら、具体的な行動を起こすことを検討しているという。

高級ブランドからは疑問の声

アリババは批判にも低姿勢を通す。同社広報担当者は、「IACCのような組織や商業団体との連携によって、我々はブランドや知的財産権保護に積極的に取り組む業界と、より緊密に協業できる。協力なしには偽物との対決に勝てない」と強調した。

IACC代表のロバート・バルキスは「アリババの加盟申請は、IACCのボードメンバーから満場一致で承認された」とコメントし、アリババを擁護した。

アリババとIACCは2013年、アリババのECサイト上の偽ブランドを発見し、削除する取り組みを開始。これまでに違反が見つかった5,000店舗を閉鎖或いは永久追放し、偽ブランド商品18万点以上を削除した。

アリババはIACC加盟後、同社のECサイトのタオバオ(淘宝)とTmall(天猫)で高級品を販売している業者に、ブランドから発行されたインボイスなど商品が本物だと証明する書類を5月20日から要求すると発表した。書類を提出しない業者は、サイトから削除し資金を凍結するという。

中国工商行政管理局はECサイト上の商標権違反を取り締まるキャンペーンに着手。アリババや京東、バイドゥ(百度)が迅速な対処を迫られるのは必至だ。

ジャック・マーはこれらの厳格な措置が功を奏すと考えているが、アリババはIACCでの衝突以外にも、自社サイトでコピー商品の販売を促進し、利益を上げているとして、グッチ、バレンシアガ、サンローランなど高級ブランドから訴訟を起こされている。

中国人の6割、「ブランド品は公式サイトで買う」

Tmallとタオバオへの不信感は、中国の購買力の高い消費者にも広がっている。米PR会社Ruder Finnと香港の市場調査会社Consumer Search Groupが公表した報告書「中国高級品展望2016」によると、中国人消費者の60%は高級ブランドを企業公式サイトでしか購入しないと回答し、彼らの「正規ルート」志向の強さが浮き彫りとなった。消費者の購入チャネルとしては15のECサイトの名前が挙がり、アマゾンと京東はそれぞれ2位、3位に入ったが、Tmallとタオバオはリストにすら載らなかった。

上海在住の32歳の起業家ウー・イーレイは「Tmallはタオバオよりは信頼できるが、高級品はどちらでも買わない。タオバオを使うのは、それが偽物だと承知で買っているか、見る目がない人だ」と断言した。

アリババの今年1-3月期の売上高は市場予想を上回る37億ドル(約4,000億円)だった。高級ブランドのセグメントは全体では小さく、そこでのいざこざは、アリババの収益にさほどの打撃は与えない。しかし、一度ついたイメージを払拭するのは簡単でない。コピー商品との闘いには多額のコストもかかり、アリババは2013年以降、1億6,100万ドル(約175億円)を費やしている。

マーは今月18日、IACCの会議で基調講演を行う。高級ブランドや裕福な消費者は、模倣品を“がん”と呼ぶ。偽ブランドとの対決姿勢を強調する彼のスピーチを、どう判断するのだろうか。

編集=上田裕資

 

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