フェイスブックは公式ページ上で「トレンド」に掲載する記事の選び方について説明し、28ページに及ぶガイドラインを掲載した。同社ではアルゴリズムがフェイスブック上で話題となっているトピックや、外部サイトをクロールして集めた情報を解析し、それらの情報を人間のレビュアーが精査しているという。
レビュアーは、1,000以上の報道機関の中から少なくとも3社の報道内容に基づいて紹介文を作成し、「スポーツ」や「科学」といったカテゴリー分けをして公開する。また、レビュアーは集まったトピックがアメリカ国内か国外といった点や、10大メディア(CNN、ガーディアン、FOXニュース、ニューヨーク・タイムズなど)がどれだけ大きく取り上げているかといった点を考慮し、どのトピックを上位表示するかを決定しているという。
ニュースを選ぶのはアルゴリズムだ、と反論
「フェイスブックは、世の中で話題となっていて、ユーザーに関心の高いトピックをリアルタイムで確認できるようにすることを目的に、2014年にトレンド機能をリリースした」とフェイスブックでグローバルオペレーション担当副社長を務めるジャスティン・オソフスキーは述べている。
ガイドラインを読む限り、フェイスブックがトレンドの運用をかなり慎重に行っており、いかなる政治的思想も優先させることなく、中立性を保つよう努力していることがうかがえる。フェイスブックは、ニュースや情報を提供するサービスの中で今や世界で最も影響力があると言っても過言ではなく、ユーザーや広告主らの信頼を保つ上で、今回のガイドライン公表は有意義であったと言える。しかし、これで論争に終止符が打たれるかは不明だ。
「トピックを選んでいるのはアルゴリズムであって人ではない。また、トレンドに掲載される情報が高品質で人々の役に立つものであることを専門チームが精査した上で公開している。ガイドラインを一読すれば、掲載するトピックの政治的な見解に関わらず、社内でチェック・アンド・バランスがしっかり機能していることが理解してもらえるはずだ」とオソフスキーは話す。
フェイスブックによると、アルゴリズムは政治的思想や立場を全く考慮しておらず、レビュアーがガイドラインに沿って業務を行っているか定期的に監査して、違反した社員を解雇することもあるという。また、同社は「レビュアーに特定の政治的見解を広めるために記事を表示させるように指示したことはない」としている。
トピックを人力で追加することが許されるのは、記事の重複を防ぐ場合や、アルゴリズムだけでは判別できないキーワードがあった場合に限られるという。また、「#sale」や「#weekend」のように特定の出来事を表さないワードに限って、ノイズとして排除することが認められている。
ギズモードは5月9日、フェイスブックが保守的な見解を示した記事を意図的に外したり、特定の記事を人為的に追加していると報じた。同社はこの件について「これまでのところ、トレンドが人為的に操作されていたことを示す証拠は見つかっていない」とコメントし、引き続き社内調査を行うとしている。