ビヨンセは自身のスポーツウェアブランド「アイビー・パーク(Ivy Park)」を持ち、パーソナル・トレーナーと共同でビーガン食の宅配サービスも行っているが、彼女が手掛ける消費者向け製品やサービスは、これまではこの2つのみだった。
経営者としても活躍するビヨンセ
しかし、今年5月に入り、ビヨンセは3年目のスタートアップWTRMLN WTR(ウォーター・メロンウォーター)への出資を発表した。WTRMLN WTRを創業したジョディ・レビーによれば、ビヨンセから出資を受けるまでに2年以上を費やしたという。レビーは毎年、相当な量のスイカが無駄になることを知り、スイカのジュースをボトルに詰めて売ることを思いついた。
「スイカは重くて壊れやすく、輸送コストが高くつきます」と、彼女はフォーブスの取材に応えた。「おいしくて栄養価の高いスイカは畑いっぱいにできますが、中には日に焼けたもの、形の悪いものもあります」
2013年12月、ニューヨークのブルックリンでホールフーズ・マーケットが初オープンするのに合わせ、レビーはWTRMLN WTRを同店舗に出荷する準備を整えた。発売初日、レビーのもとに友人らから携帯メールが続々と届いたが、それはただ「おめでとう」というものではなかった。メールには、ビヨンセと夫ジェイ・Zのセクシーな新曲『Drunk in Love』を聞くようにと書かれていた。その曲の中でビヨンセは「ウォーターメロンを飲んでいたの」と歌っていた。
彼女はすぐに行動した。ビヨンセのマネジメント会社、パークウッド・エンターテイメント(Parkwood Entertainment)に連絡を取り、マネージャーらと話をした。レビーにはビヨンセと共通の知り合いリサ・クーパーがいる。クーパーはその年、ビヨンセが雑誌『GQ』用に写真撮影をした際、スタイリストとしてビヨンセと仕事をしていた。そのクーパーとのつながりが、役に立った。
「2時間のうちに、私はWTRMLN WTRを彼女のオフィスへ、そしてバークレイズ・センター(ブルックリンにある屋内競技場、多目的ホール)へ手配しました。この製品をどうしても彼女に見せたかったんです」と、レビーは言う。