1年半後、レビーと彼女のチームは、清涼飲料業界で長い経歴を持つJeff Rubensteinを新たな最高マーケティング責任者(CMO)に迎えた。「ミーティングを始めてすぐ、先方から出資の話が出ました」とレビーは振り返る。ビヨンセは、二人がともに健康な生活を促進したいという熱意に溢れていることに気が付いたのだ。
「創業者が女性であることが気に入られました。そしてこれは、ビヨンセのブランドのように、面白味があってセクシーなブランドです」
ビヨンセは声明で「WTRMLN WTRと協力し、人々が気軽に体に良いものを取り入れることができるようにする、シンプルなミッションを遂行します」と述べた。ビヨンセの出資は、最新の調達ラウンドの一部となる。同ラウンドには、アメリカで爆発的な人気を誇る「ビタミンウォーター」のマーケティングを主導したRohan OzaやNBAのスター選手クリス・ポール(Chris Paul)も参加している。
レビーは、ビヨンセの投資額を明かさなかったが、米証券取引委員会(SEC)に提出されている資料にはWTRMLN WTRの親会社が合計800万ドル(約8億6,800万円)の資金調達を目指していることが記されている。
「私は投資家が持つ力を信じています。投資家は、経営者やブランドアンバサダーと同じくらいに重要です。ビヨンセは私たちに素晴らしいビジネスチャンスを与えてくれました」
そのひとつは、トップショップとのパートナーシップだ。ビヨンセは3月に同社とのコラボレーションでスポーツウェアブランド「アイビー・パーク」を立ち上げた。また、ビヨンセの世界ツアー『Formation』(4月~6月)では、どの会場でもWTRMLN WTRを販売している。
その他、WTRMLN WTRは、ホールフーズ・マーケットやクローガー、コストコ、セイフウェイ、ウェグマンズ、スプラウツなど、一般の店舗にも並んでいる。ビヨンセが、WTRMLN WTRとの関係を更に深めるかどうかは今のところ不明だが、同製品のCMに登場する可能性もなくはない。レビーは「どんなことでも起こり得ます」と述べた。