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2016.05.11 16:00

レンディングクラブの悲哀に見る米ノンバンク系ブームの陰り

レンディングクラブのルノー・ラプランシュ前CEO(Photo by: Adam Jeffery/CNBC/NBCU Photo Bank via Getty Images)

レンディングクラブのルノー・ラプランシュ前CEO(Photo by: Adam Jeffery/CNBC/NBCU Photo Bank via Getty Images)

米大手銀行の解体は、2016年米大統領選の争点のひとつになっている。しかし、消費者金融から高リスク住宅ローンの運用、そして中規模のレバレッジ・バイアウトの融資に至るまで多数のビジネスに携わっている“大きすぎて潰せない”ウォール街の銀行を見ると、それとは程遠い状況だ。
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5月9日朝、ネット経由でピアツーピア(P2P)融資を提供している金融サービス会社レンディングクラブは、ある投資家に対して2,200万ドル(約24億円)の融資債権を不適切に売却したことを明らかにし、投資家たちを驚かせた。理事会の審査を経て、ルノー・ラプランシュCEOは辞任となった。

この発表を受け、9日午前の取引でレンディングクラブの株価は25%下落。2014年12月のIPO以降、一貫して振るわない株価実績をさらに悪化させた。同社は資産に対する損失率が予想を上回り、またP2P債権の証券化に対する需要があまりないことで苦境に陥っている。オンデック(OnDeck)など競合の公開企業も同様に業績不振に苦しんでいる。

P2P融資はかつて、金融業界で大きな話題だった。だがこれらの消費者金融会社が株式を公開するなか、堅調な業績を報告しているのは従来の銀行の方だ。大手銀行の消費者向け融資の損失率は依然、歴史的低水準を維持している。
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もしかしたら、多重債務負債者のリファイナンス−つまりレンディングバンクとオンデックが売り回っているもの−のリスクに対する見返りは、多くの人が思っているほど良くないのかもしれない。特に金利が上昇し、景気回復期が7年目に突入している今の時期には。

中小企業への融資や一部投資を行うビジネス・ディベロップメント・カンパニー(BDC)のようなその他の融資会社からも、同じような問題が見て取れる。

2010年のドッド・フランク法(ウォール街改革および消費者保護法)による規制強化で、ゴールドマン・サックスやJPモルガンのような銀行がレバレッジドローンやミドルマーケット向け融資を制限するなか、BDCはウォール街の強力な競合と見られていた。

実際に2008年から2015年にかけ、BDCビジネスの資産は2倍以上に増加。しかし問題は、巨額の資本を呼び込んだ後、記録的低金利かつ前例のない“借主獲得争い”のなか、業界内の企業が競って資金を分散させたことだった。

金利が上昇し、企業金融の業績がピークに達しつつある今、BDC事業で最大規模、かつ最速の成長を遂げた企業の多くが予想を上回る貸し倒れを報告している。さらに悪いことに、フィフス・ストリート(Fifth Street)のような多くのBDCが設定していた“どう転んでも得をする”手数料が、見境のない融資を促した可能性もある。
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編集=森 美歩

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